横浜市会

市長は財政健全化に着手せよ
2023.01.28

令和5年度予算案を公表

令和5年度予算案が公表されました。山中市長が就任して初めて本格的に編成された通年予算案です。また、昨年度には、横浜市政の中期的な政策の骨格をなす中期計画が議決されており、その方向性を踏まえて編成されたものとの位置づけです。

一般会計予算規模は、1兆9,022億円で前年度比マイナス3.7%となっています。減少要因としては、過年度融資実績の減による中小企業融資の減(マイナス748億円)となっていますので、これを除くと実質プラス予算と言えます。中期計画で示された「子育てしたい街、横浜」の実現に向けて、「小児医療費の無償化(15歳まで所得制限なし、一部負担金なし)」や「出産費用無償化にむけた調査費」、「中学校給食の全員喫食に向けた喫食率拡大」などが予算化されています。

局別予算で見ると、健康福祉局がトップで5,219億円、続いてこども青少年局の3,295億円、教育委員会の2,682億円と続きます。ハード系の道路局が790億円、港湾局が120億円、環境創造局が802億円ですから、いかに、こども、教育、福祉、保健、医療分野に配分しているかわかります。

財政健全化を先送り

一方で気がかりなのが、昨年、議決された財政ビジョンとの関係です。今後、人口減少が見込まれる横浜市において、中長期的な政策運営における土台となるのが財政ビジョンです。いま、横浜市の予算は、将来の借金返済のための貯金である減債基金を毎年取り崩しながら帳尻を合わせています。このような状況から脱却するための羅針盤として財政ビジョンで示した範囲で政策の選択と集中を図るとしています。

特に2030年度までに収支差解消アクションによって単年度の収支差を500億円程度解消するとしています。山中市長はこれまでの議会答弁で、500億円程度の収支差を解消する手段として、「歳出改革」と「新たな財源創出」を挙げていますが、言葉だけが先行し、具体的な内容が見えてきません。つまり、山中市長は、自らの公約実現のために歳出を拡大する一方で、財政健全化の取り組みは先送りしている状況です。

鈴木太郎は、2月15日の予算代表質疑に登壇し、横浜の将来にチャンスを創るために、山中市長に骨太の議論を投げかけていきます。

 

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