1月31日からスタートした横浜市会令和4年第1回定例会は、いよいよ佳境を迎えています。「予算市会」と呼ばれるこの時期の定例会では、令和4年度予算案の審議が本格化しています。2月18日に開かれた市会本会議では、鈴木太郎が、市会最大会派を代表して予算代表質疑を行いました。
目玉公約を予算計上せず
1月下旬に公表された予算案は、一般会計総額で、対前年度比で実質1.0%増の1兆9,749億円となっています。山中市長が検討の中止を公約した、統合型リゾート(IR)と新たな劇場整備に関する予算は計上していませんが、それ以外の部分では、これまでの事業の継続ばかりです。選挙中には、「コロナの専門家」を名乗っていましたが、3回目のワクチン接種と医療的提供体制の継続的な確保を中心にした内容で、専門家ならではの特色は見受けられません。また、いわゆる「3つのゼロ」と中学校給食全員喫食という目玉公約については、調査費すら計上されていません。令和4年度予算案には、「山中カラー」は乏しいと言わざるを得ません。
予算案を編成する権限は、二元代表制のもとでは市長だけが持つ権限であり、市長が市民にとって必要と考える政策を実現するために必要な事業費を盛り込んでいくものです。山中市長が「3つのゼロ」と中学校給食について予算計上しない判断をした理由は定かではありませんが、これまで政治や行政の経験が全く無い山中市長が市長になり、実務に携わってみると、目玉公約の実現には乗り越えなければいけない課題があることを理解したのではないでしょうか?仮にそうであれば、 何が何でも公約を実現することにこだわるのではなく、市民にとって最適な政策へと軌道修正していくことも必要だと考えます。
買い物難民救出プロジェクト
予算代表質疑では、これまで鈴木太郎が民間の方々と継続的に取り組んできた項目について取り上げました。まず、郊外部のまちづくりについて、地元の不動産事業者の皆様とともに進めている「買い物難民救出プロジェクト」です。戸塚区をはじめとする市内郊外部には、整然と整備された戸建て住宅地があります。高度経済成長期に数多く開発され、働き盛り世代の住居ニーズを満たしてきました。こうした地域では、良好な住環境を確保するため建築の規制が多い都市計画を敷いてきたためコンビニなどの小規模店舗の立地が規制されるなど、高齢化する住民にとって日々の買い物にも苦労するところも出始めています。「買い物難民」を出さない地域にするためには、必要な店舗を立地できる都市計画へと変更していくことが必要です。そこで、鈴木太郎は、現在、市が進めている用途地域の変更に合わせて、コンビニなどの立地が可能となる規制緩和を提案しました。これに対して、市として、時代に合わせて魅力的な郊外部としていく都市計画を進めていく方向性を示しました。
将来を見通して市民が安心して暮らしていけるよう今から取り組むことで、次世代にチャンスを創っていきたいと願っています。