圏央道(首都圏中央連絡自動車道)は、都心から約40~60キロメートルを環状に連絡する全長約300キロメートルの高規格幹線道路です。東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道、東関東道等の放射状に延びる高速道路や都心郊外の主要都市を連絡し、東京湾アクアライン、東京外かく環状道路などと一体となって首都圏の広域的な幹線道路網を形成しています。完成のめどが立っていない区域が戸塚区を通過する横浜環状南線と横浜湘南道路です。これらの高速道路が開通すればビジネスにおいてもレジャーにおいてもアクセスが向上するのは言うまでもありません。それだけに事業が進捗していくように求めていくのも地元選出議員として当然と言えます。
一方で、高速道路の整備に合わせて一般道にも改良が必要になります。その際に大事にしなければいけないことは、周辺住民の方々の日々の生活に支障をきたすことがないようにすることです。先日、横浜湘南道路の整備に合わせて進められている県道横浜藤沢線の周辺住民および事業者説明会に参加しました。既存道路を32mまで拡幅することから中央分離帯が必要になるそうです。さらに道路を横断する信号の位置も変更を余儀なくされることから、周辺住民は道路を横断するのに回り道をしなければならなくなります。周辺には大型車両が毎日行きかう事業所も多く、右折ができなくなることから日々の運行も迂回してUターンしなければならなくなります。
このように高速道路ができることによって、周辺住民は便利になるどころか。かえって日々の生活に負担を強いられてしまっては、何のために用地買収に応じてきたのかわからなくなります。
このような事業はどうしても、メインになる高速道路の整備にばかり焦点があたり、付随する生活道路の整備がとってつけたような対応になりがちです。もちろん、物理的、技術的にできる、できないといった問題が残りますが、まずは、しっかりと事業者を含めた周辺住民のニーズに寄り添った対応が不可欠です。
今回は、予め住民の方々の不安と不満を受け止めていたので、私から当局に、このまま現行計画で進めることを思いとどまるよう申し入れ、その方向で説明会にも対応していただきました。次のステップとして説明会でいただいた懸念に応える計画をしっかりと練り直すことが必要です。引き続き見守ってまいります。